ギタリストー5(福田進一)

ギタリストー5(福田進一)_b0035524_21161270.jpgGGサロンでの福田進一さんのコンサートは気迫迫るものでした。

デビューしたてのころ(20年くらい前)の演奏を聞いたとき、「ギターのグレングールドだ」と思ったのですが、演奏しながら何かご自分で唄っているのです。
今日もそれは健在でしたが、調子を崩すときに余計集中するように意識するので、口ずさむのではないかと感じました。違うかもしれませんが、風邪をひかれてそうとうひどいようでしたし、顔が熱を持った状態でしたから。でもみじんも弱気を見せません。プロですね。

その風邪を医者に薬で抑えてもらって出演されたようで(そのお医者さんも来ていました。)、ベストコンディションではない状態で大曲ばかり弾かれました。ロッシニアーヌ第一番から三番まで全曲(ジュリアーニ)。
大変な大曲ですし、とても難曲です。
ものすごい集中力とテクニックで風邪を感じさせない名演奏でした。さすがです。
それから細川俊夫さんが作曲された「セレナーデ」。2003年に作曲されたようで、日本的な響きの名曲です。
これから世界でこの曲を演奏して紹介していくとの意気込みでした。

弾いていたギターがこれまたイタリアのヴァイオリン製作で有名なガダニーニ一族で、ガエターノ・ガダニーニⅡ世が1829年に製作したもので、福田さんがトリノで見つけたが壊れていたとのことで、日本人の製作家に直してもらって生き返ったようです。
弦もイタリアの製作家が作ったものを使い、ロッシニアーヌはこれで弾いて、当時の音を再現しようとされていました。(細川さんのセレナーデは桜井正毅さんのギターで弾かれました)
また指がこんがらがるような難曲なので、軽いタッチで弾ける古楽器だからまだよく「現代のギターでは死ぬ」と言っておられました。

この福田進一さんはパリ国際ギターコンクールで日本人として三番目の優勝者です。
この方が日本でデビューされてから日本のクラシックギターの歴史が変わったと言っても過言ではないでしょう。
後に続く若い優れた演奏家が福田さんから輩出されました。今をときめく村治佳織さんも福田さんのお弟子さんです。
今や日本のクラシックギターのレベルは欧米に並んだと言えるでしょう。福田さんが引っ張ったようなものです。

ギタリストー5(福田進一)_b0035524_2152532.jpgこれだけの方を写真に撮れたのはラッキーでした。
ついでにCDを買ってサインをしてもらいました。

福田さんのCDはほとんど持っていて、このCDも持っているのですが大変好きなCDですので、新たに買ってその場でサインをいただきました。
良い記念になります。

これからも聞き続けて行きたい、もっとも好きなギタリストです。


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by kazuo-nakazato | 2005-03-22 21:57 | クラシックギター
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